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肉離れ

肉離れ

肉離れとは、筋肉が急激に収縮されたり、強い伸張力がかかることで筋繊維や筋膜が損傷するケガのことを指します。主にスポーツ活動中に発生しやすく、急激なダッシュやジャンプ、突然の方向転換などの動作が原因で起こります。筋肉に強い力がかかることで、筋肉内部の繊維や結合組織に亀裂が入ったり、完全に断裂することもあります。大腿の裏(ハムストリングス)やふくらはぎ(腓腹筋)で特によく見られますが、他の部位でも発生します。

解剖図

筋肉の構造と役割

筋肉は筋繊維と呼ばれる細かい線維で構成され、これらの筋繊維は筋膜に覆われています。筋肉は骨に付着し、関節を動かし、体を支える役割を果たします。運動中や日常動作では、筋肉が伸び縮みして力を発揮するため非常に重要です。過度の伸縮によって筋繊維が損傷することが肉離れです。

筋肉の主な役割
  • 動きの生成:骨格を動かし、関節を動かす役割を担います。
  • 安定性の提供:体を支え、姿勢を維持します。
  • 力の発揮: 外的な力に抵抗するための力を発揮します。

肉離れの症状と程度

肉離れは、損傷の程度によって以下の3段階に分類されます。

  • Ⅰ度(軽度)
    • 筋繊維の損傷:筋繊維がわずかに引き伸ばされたり、微小な裂け目が生じている状態。
    • 症状: 軽い痛みや不快感があり、運動中に違和感を感じるが、筋肉の機能はほぼ保たれており、日常生活にはほとんど支障がありません。
  • Ⅱ度(中等度)
    • 筋繊維の損傷:筋繊維の一部が部分的に断裂している状態。
    • 症状:明らかな痛みと腫れがあり、筋肉が硬く感じられます。運動能力が低下し、筋肉を使用する際に強い痛みが伴います。
  • Ⅲ度(重度)
    • 筋繊維の損傷:筋繊維が完全に断裂している状態。
    • 症状:激しい痛み、腫れ、筋肉の機能が完全に失われ、歩行や立ち上がることが困難になり、手術が必要になることもあります。

肉離れが再発しやすい理由

肉離れが再発しやすい理由には、筋肉損傷後に発生する硬結と関節可動域の低下が関係しています。

  • 硬結の発生
    筋繊維が損傷すると、出血や炎症により損傷部位に硬い塊(硬結)が形成されます。この硬結は、筋肉の柔軟性を低下させ、筋肉がスムーズに動かなくなる原因となります。また、硬結が残ったままだと、同じ場所での筋損傷が再発しやすくなります。
  • 関節可動域の低下
    筋肉が損傷すると、痛みや硬結により関節の可動域が制限され、正常な動きができなくなります。特にハムストリングスなど大きな筋群では、可動域の低下が運動中のパフォーマンスに大きく影響し、再発のリスクが高まります。​​​​​​​

対応策:早期リハビリテーションの重要性

早期からのリハビリテーションは、肉離れが再発しないために非常に重要です。損傷した筋肉を適切に回復させ、硬結の除去や関節可動域の回復を図ることが、再発防止の鍵となります。リハビリテーションは、痛みが軽減してきた段階で段階的に進めることが推奨されます。

  • 可動域の回復:筋肉が硬直しないように、痛みを伴わない範囲での軽いストレッチが有効です。
  • 筋力の回復:アイソメトリック運動(静的筋収縮)を早期に取り入れ、徐々に動的な運動へ移行することで筋力を取り戻します。​​​​​​​
  • 筋肉の柔軟性を高めるトレーニング:動的ストレッチや軽度の抵抗運動が有効です。​​​​​​​

症例:中学生男子 サッカー試合中にハムストリングの肉離れを発症

問診

サッカーの試合中、全力でダッシュした際、右太もも裏に鋭い痛みを感じました。その後、試合を続けることができず、痛みとともに腫れが現れ、歩行も困難になり、来院。以前にも同じ部位で軽い肉離れを経験していました。

身体評価

  • 姿勢評価:右足をかばいながら歩く姿勢が見られました。
  • 視診:右ハムストリングに腫れと軽度のあざが確認されました。
  • 触診:右ハムストリングに強い圧痛があり、筋繊維の断裂が疑われる部分で硬結が感じられました。
  • 可動域テスト:P-SLR(仰向けでの下肢伸展挙上テスト)を実施したところ、下肢の挙上が20度で痛みを訴え、可動域の制限が確認されました。

状態の説明

右ハムストリングの部分的な断裂(Ⅱ度の肉離れ)が疑われ、急性期の炎症反応が見られます。運動中の急激な負荷により、筋繊維が断裂したと考えられます。まずは、痛みや腫れを抑えるためにRICE処置を行い、早期に段階的なリハビリを進めることが重要です。

施術の段階

急性期(1-3日)

  • 処置
    • RICE処置:肉離れの炎症を抑えるため、安静、氷冷、圧迫、挙上を基本に行います。
  • エクササイズ
    • 足関節の可動域運動:足指や足首を軽く動かし、血流を促進して筋肉の硬直を防ぎます。
    • 痛みを伴わない軽いストレッチ:膝を軽く曲げた状態で、痛みが出ない範囲でハムストリングのストレッチを行います。 
アイシング
足関節の可動域運動
痛みを伴わない軽いストレッチ
  • 物理療法
    • マイクロカレント療法:肉離れの炎症を抑えるため、安静、氷冷、圧迫、挙上を基本に行います。
    • 超音波療法:組織の深部に微細な振動を与えて血流を促し、炎症を軽減します。
  • 固定
    • テーピング:キネシオテープを用いて筋肉を安定させ、再損傷を防ぎます。
マイクロカレント療法
超音波療法
テーピング

亜急性期(4-14日)

  • 手技療法
    • 手技:筋肉の柔軟性を高め、血流を促進します。痛みの出ない範囲で行います。
  • エクササイズ
    • 可動域エクササイズ:仰向けでの膝屈伸運動や、座位でのハムストリングのストレッチを行い、痛みのない範囲で可動域を改善します。
    • アイソメトリック運動:筋肉を静的に収縮させ、筋力の回復を促します。
    • 動的ストレッチ: 軽い負荷でハムストリングの柔軟性を向上させ、足を前後に動かして筋肉を伸ばします。
可動域エクササイズ
アイソメトリック運動
動的ストレッチ
  • 物理療法
    • 低周波治療:筋肉の収縮を促進し、痛みの軽減と筋力回復をサポートします。
    • 超音波療法:血流を促し、組織の修復を支援します。
  • サポート
    • テーピング:筋肉をサポートし、再損傷を防ぎます。

慢性期(15日以上)

  • 手技療法
    • 筋肉の可動域をさらに改善し、硬くなった筋膜や筋肉をほぐします。
  • エクササイズ
    • エキセントリック運動
    • シングルレッグデッドリフト:固有感覚を高め、ハムストリングの柔軟性を向上させます。
  • 物理療法
    • 超音波療法:組織の修復を促進します。
    • 低周波治療:筋力回復と組織修復をサポートします。
シングルレッグデッドリフト

今後の治療方針

  • 通院頻度
    急性期は毎日、亜急性期からは週3回〜2回の通院が推奨されます。
  • 施術メニュー
    エクササイズ、手技療法、物理療法を組み合わせて段階的に治療を進め、症状の改善に応じて負荷を増やします。
  • 運動強度の段階的な上昇
    症状が改善次第、運動強度を徐々に上げ、最終的にはスポーツ活動への復帰を目指します。

おおさと接骨院では、肉離れの各回復段階に合わせた施術を提供し、患者様の早期回復を目指します。
痛みや不調でお困りの方は、ぜひ当院にご相談ください。

参考文献

1.Heiderscheit, B. C., et al. "Management of acute hamstring strains." Clinics in Sports Medicine 29, no. 3 (2010): 399-408.
2.Petersen, J., and Holmich, P. "Evidence based prevention of hamstring injuries in sport." British Journal of Sports Medicine 39, no. 6 (2005): 319-323.
3.Askling, C. M., Tengvar, M., Thorstensson, A. "Acute hamstring injuries in Swedish elite football: a prospective randomised controlled clinical trial comparing two rehabilitation protocols." British Journal of Sports Medicine 47, no. 15 (2013): 953-959.
4.Orchard, J. "Hamstring injuries in sport." Sports Medicine 34, no. 2 (2004): 104-110.
5.Croisier, J. L., et al. "Strength imbalances and prevention of hamstring injury." International Journal of Sports Medicine 29, no. 8 (2008): 676-682.

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なかなか痛みが取れずに悩んでいる方をサポートします!どこに行っても良くならない痛みの原因を見つけ、根本から改善へ導きます。 大里洋志(おおさとひろし)

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