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オスグッド・シュラッター病

オスグッド・シュラッター病

オスグッド・シュラッター病は、成長期の子どもや若年のスポーツ選手によく見られる膝の障害で、特にジャンプやランニングなど、膝を頻繁に使う運動を行う際に発症します。この疾患は、脛骨粗面(けいこつそめん)と呼ばれる、膝蓋腱(しつがいけん)が脛骨に付着する部位に炎症や痛みを引き起こすものです。思春期の成長期に起こりやすく、過度の運動による膝蓋腱の引っ張りによって脛骨粗面に負担がかかることで発症します。

解剖図

膝の構造と役割

膝関節は、大腿骨、脛骨、膝蓋骨(膝のお皿)で構成されており、これらの骨をつなぐ筋肉や靭帯が関節を支えています。特に、膝の伸展運動に関与する大腿四頭筋は、膝蓋腱を介して脛骨に付着しており、これが成長期の骨に強い牽引力をかけることによって、オスグッド・シュラッター病が発生します。

膝の主な役割

  • 関節の屈伸: 大腿四頭筋の収縮により、膝の屈伸運動が行われます。
  • 体重の支持:体重を支え、歩行や運動をサポートします。
  • ショック吸収:着地やジャンプの衝撃を和らげ、関節にかかる負担を軽減します。

オスグッド・シュラッター病の症状と程度

オスグッド・シュラッター病の症状は、通常以下のように進行します。膝の下部(脛骨粗面)に痛みや腫れが生じるのが特徴です。

  • Ⅰ度(軽度)
    症状:脛骨粗面に軽い痛みがあり、運動後に不快感を感じます。膝の可動域にはほとんど影響はありませんが、運動を続けることで徐々に症状が悪化する可能性があります。
  • Ⅱ度(中等度)
    症状:膝の下部に明らかな痛みが生じ、腫れが見られます。膝を使うと痛みが増し、運動中に支障をきたすことが多くなります。休息が必要になる場合もあります。
  • Ⅲ度(重度)
    症状:膝の痛みが激しくなり、日常生活にも支障をきたします。脛骨粗面が著しく腫れ、膝を動かすことが困難になります。運動を完全に休止することが必要な場合が多く、専門的な治療が必要となります。

オスグッド・シュラッター病が再発しやすい理由

オスグッド・シュラッター病が再発しやすい理由として、成長期の骨と筋肉の不均衡、および膝の関節可動域の低下が挙げられます。

  • 成長期の骨と筋肉の不均衡
    成長期において、骨の成長が筋肉や腱の伸びに追いつかないことが多く、これにより筋肉が骨に対して過度な負荷をかけることがあります。特に、大腿四頭筋が膝蓋腱を介して脛骨に強い牽引力を加え、これが脛骨粗面に負担を与えて炎症が再発する可能性があります。
  • 膝の可動域の低下
    オスグッド・シュラッター病が進行すると、膝の可動域が制限されることがあります。痛みや炎症が原因で膝を十分に動かせなくなると、筋肉や腱が硬直しやすくなり、再発のリスクが高まります。

対応策:早期リハビリテーションの重要性

オスグッド・シュラッター病の再発を防ぐためには、早期からの適切なリハビリテーションが重要です。症状が軽度のうちに適切な治療とリハビリを行うことで、関節の可動域を確保し、筋肉と骨のバランスを保つことができます。

  • ストレッチ:大腿四頭筋やハムストリングスの柔軟性を向上させ、脛骨粗面への負担を軽減します。
  • 筋力強化:大腿四頭筋やハムストリングスをバランスよく鍛え、膝関節を安定させます。
  • 可動域の回復:痛みを伴わない範囲で膝の可動域を確保する運動を行い、関節の硬直を防ぎます。

症例: 中学生男子 バスケットボール選手のオスグッド・シュラッター病

問診

バスケットボールの練習中に右膝下部に痛みを感じ、来院しました。以前から膝の痛みを訴えていたが、最近になり痛みが増強し、特にジャンプやランニング後に痛みがひどくなるとのことでした。

身体評価

  • 姿勢評価:膝をかばうために、右片足での体重移動が見られました。
  • 視診:右膝の下部に軽度の腫れが見られ、脛骨粗面に痛みを訴えました。
  • 触診:脛骨粗面に強い圧痛があり、膝蓋腱に沿って痛みが広がっていました。
  • 可動域テスト: 膝の屈伸運動において、膝下部に痛みを訴え、可動域の制限が確認されました。

状態の説明

右膝の脛骨粗面に炎症と痛みが確認され、オスグッド・シュラッター病の典型的な症状です。成長期における膝蓋腱の強い牽引力が原因で、脛骨粗面に炎症が発生していると考えられます。治療としては、まず痛みと炎症を抑え、段階的にリハビリを進めることが推奨されます。

施術内容

1. 処置

オスグッド・シュラッター病の治療は、まず痛みや炎症を軽減し、早期から段階的にリハビリテーションを進めていくことが重要です。

  • RICE処置
    膝の炎症を抑えるために、安静(Rest)、氷冷(Ice)、圧迫(Compression)、挙上(Elevation)の4つの基本処置を行います。特に炎症が強い初期段階では、膝蓋腱や脛骨粗面を冷やし、腫れや痛みを軽減します。
物理療法:RICE処置

2. エクササイズ

段階的に運動療法を導入し、膝関節の可動域の改善と筋力を向上させることが必要です。

  • 痛みを伴わないストレッチ
    大腿四頭筋とハムストリングスを軽くストレッチし、筋肉の硬直を防ぎます。痛みが出ない範囲で行うことが大切です。特に、膝蓋腱への負荷が強いスポーツでは、大腿四頭筋の柔軟性を高めることが重要です。
  • エキセントリック運動
    特に、膝蓋腱と大腿四頭筋に負荷をかけながらも筋肉を伸ばすエキセントリック運動が効果的です。例として、シングルレッグデットリフトなどの運動が挙げられます。
  • バランストレーニング
    固有感覚を向上させ、膝関節の安定性を高めるために、ビームウォークやChair(チェアー)を使ったStep Down Side(ステップダウンサイト)などのトレーニングを導入します。これにより、膝の動きをより正確にコントロールできるようにします。
エキセントリック運動
バランストレーニング

3. 手技療法

  • 手技
    大腿四頭筋の柔軟性を高めます。これにより、筋肉や腱にかかる負担が軽減され、痛みの軽減と可動域の改善が期待されます。
  • 膝蓋骨のモビライゼーション
    膝蓋骨の可動域を改善するために、膝蓋骨を慎重に動かし、正常な可動性を再獲得することを目指します。これにより、膝関節の柔軟性を向上させ、膝周辺の筋肉や腱への負担を軽減します。
手技
膝蓋骨のモビライゼーション

4. 物理療法

  • 低周波治療:
    筋肉を軽く収縮させる低周波治療を用いて、筋力回復と痛みの軽減を図ります。これにより、筋肉の緊張をほぐし、再発のリスクを軽減します。
低周波治療

サポート

  • キネシオテープ
    キネシオテープを使用して膝関節や筋肉をサポートします。テーピングは、筋肉や関節の動きを制限することなく、膝蓋腱や周囲の筋肉にかかる負担を軽減します。特に運動中の膝の安定性を向上させ、再発予防や痛みの軽減に効果的です。
キネシオテープ

今後の方針

  • 通院頻度
    痛みが強い急性期には、週3回〜2回の通院を推奨します。痛みが軽減してきた場合には、週1回の通院に切り替えます。定期的な通院を通じて、段階的に治療を進め、症状の改善を目指します。
  • 施術メニュー
    エクササイズ、手技療法、物理療法を組み合わせて段階的に治療を行います。症状の改善に伴い、負荷を徐々に増やしながら進めることが重要です。
  • 運動強度の段階的な上昇
    症状が改善次第、運動強度を少しずつ増やし、スポーツ活動への復帰を目指します。最終的には、痛みなくスポーツができるように復帰を目標とします。

おおさと接骨院では、オスグッド・シュラッター病の症状や原因に対してお一人お一人に合わせた施術を提供し、患者様の症状の改善を目指します。
痛みや不調でお困りの方は、ぜひ当院にご相談ください。

参考文献

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2.Kujala, U. M., et al. "Osgood-Schlatter disease in adolescent athletes." Sports Medicine 34, no. 1 (2008): 23-31.
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4.Micheli, L. J., and Ireland, M. L. "Prevention and management of overuse injuries in young athletes." Sports Medicine 14, no. 2 (1992): 201-218.
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