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変形性膝関節症

変形性膝関節症

変形性膝関節症(膝OA)は、膝関節の軟骨が摩耗し、骨同士が直接擦れ合うことによって痛みや炎症を引き起こす病気です。膝の関節は、長年の使用や負荷により徐々に損傷し、正常な機能が妨げられることがあります。特に軟骨の摩耗が進行すると、関節の動きが制限され、痛みやこわばりが日常生活に影響を及ぼします。

解剖図

膝の構造

膝関節は、大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)が接する部分にあり、膝蓋骨(膝のお皿)がその前面を保護しています。関節内には滑らかな動きを可能にする軟骨があり、さらに膝の内外にはクッションの役割を果たす半月板があります。これらの構造は、靭帯(ACL, PCL, MCL, LCL)によって安定が保たれています。

構造的痛みの原因

変形性膝関節症は、特に中年以降の年齢層で多くみられ、膝の軟骨の摩耗が主な原因です。軟骨が薄くなると、骨同士が直接ぶつかりあい、その結果、膝の炎症や痛み、腫れが生じます。

  • 膝蓋下脂肪体の炎症
    膝蓋下脂肪体は、膝蓋骨(パテラ)の下に位置し、膝関節の動きをサポートするクッションのような役割を果たしています。変形性膝関節症が進行すると、この脂肪体が炎症を起こし、膝の動きを妨げる原因となります。炎症が起こると、関節の可動域が制限され、膝を動かす際に鋭い痛みを感じることが多くなります。
  • パテラ(膝蓋骨)の動きの制限
    パテラの動きが正常でないと、膝関節全体の動作に悪影響を及ぼします。変形性膝関節症では、膝関節の変形や周囲組織の硬化が進行し、パテラの滑走がスムーズに行われなくなることがあります。このパテラの動きの制限により、膝の伸展・屈曲が難しくなり、特に歩行や階段の上り下りでの機能が低下します。また、パテラの不正な動きによって関節の特定部位に過剰な圧力がかかり、痛みが生じます。
  • 膝関節を支える筋力の低下
    変形性膝関節症においては、膝を支える重要な筋肉群、特に大腿四頭筋やハムストリングスの筋力低下がよく見られます。これらの筋肉が弱くなると、膝関節を適切に安定させることができなくなり、動作時に膝に過度の負荷がかかります。この筋力低下による関節の不安定性が、膝への負担を増大させ、痛みの悪化や動作時の不安定感を引き起こします。

症例:60代女性 変形性膝関節症での内側の痛みと膝の伸びづらさ

問診

立ち仕事を長年続けており、趣味で畑作業やガーデニングも行っています。2年前から両膝の内側に痛みを感じ始め、歩行時はもちろん、立ち上がりやしゃがむ際に強い痛みを感じます。整形外科でレントゲン検査を受けたところ、膝関節の内側の軟骨がすり減っているとの診断を受け、医師から筋力をつけるようにと指導されました。しかし、具体的な運動方法がわからず、来院されました。また、最近では膝が完全に伸びづらくなってきていることも気になっているとのことです。

身体評価

  • 視診
    立位で股関節外旋(股関節が外側に回転している状態)と下腿外旋(すねの骨が外側に回転している状態)が見られ、足部扁平足(土踏まずの低下)が確認されました。これにより、膝の軸が正常位置から外れ、膝関節に余計な負担がかかっている可能性が高いです。
  • 触診
    膝の内側に強い圧痛点があり、さらに膝蓋骨の動きに上下・左右・回旋方向で制限が見られます。また、膝窩筋(膝の後ろにある筋肉)、内側側副靭帯、半腱様筋に圧痛が確認されており、これらの筋肉や靭帯が膝の動きを制限し、膝が伸びづらい状況と痛みを引き起こしていることが示唆されます。
  • 可動域検査
    膝の伸展(伸ばす動作)は-10度の制限があり、完全に膝を伸ばすことができない状態です。また、屈曲(曲げる動作)は120度までで、こちらも正常範囲より制限があります。
  • 筋力テスト
    大腿四頭筋(太ももの前側の筋肉)の筋力テストでは、膝を伸展する際に筋力低下が確認されました。この筋力低下により、膝関節の安定性が低下していることが考えられます。
  • 歩行分析
    歩行時には、股関節と下腿の外旋が見られ、足部の扁平足とともに、膝の痛みをかばいながら歩行しているため、膝内側に過剰な負担がかかっています。
触診

状態の説明

長年の使用や外的要因により、関節内の軟骨がすり減り、股関節や下腿の外旋、扁平足といった姿勢や動作の不良を引き起こしています。これにより、膝関節への負担が大きく、膝の内側の痛みが生じています。膝蓋骨の動きに制限があるため、膝関節が正常に機能せず、痛みや可動域の制限が進行しています。また、大腿四頭筋の筋力低下が確認され、膝の安定性が低く、歩行や日常生活に影響を及ぼしている状態です。

施術内容

エクササイズ

  • パテラセッティング(大腿四頭筋エクササイズ)
    仰向けで膝の裏を床に押し付けるように力を入れ、5秒間保持してから力を抜きます。大腿四頭筋を強化するためのシンプルな運動で、膝関節の安定性を高めます。
  • テラセンサマット
    足底筋のストレッチと足部の固有感覚向上を目的に、テラセンサマットを使用します。足底の機能をあげ、偏平足の改善を促進します。
パテラセッティング
テラセンサマット
  • Standing Leg Pumps
    立位でChairのペダルを踏む動作を繰り返し、体幹と大腿の筋肉を安定させます。この運動により、機能的な安定性が向上します。
  • ビーム歩行
    足底筋のストレッチと足部の固有感覚向上を目的に、テラセンサマットを使用します。足底の機能をあげ、偏平足の改善を促進します。
Standing Leg Pumps
ビーム歩行

手技療法

  • 関節モビリゼーション
    膝関節および膝蓋骨の動きを正常化させるため、軽度の関節モビリゼーションを実施し、可動域を改善します。
  • 手技
    膝窩筋、内側靭帯、半腱様筋の圧痛を緩和するために、これらの部位への筋膜リリースを行い、筋肉の緊張を和らげます。 
関節モビリゼーション
手技

物理療法

  • アイシング
    炎症と痛みの軽減のため、膝関節の患部にアイシングを施します。特に痛みが強い日は冷却療法を強化します。
  • ホットパック
    炎症が軽減したタイミングで、温熱療法に切り替え、血流を促進して回復を促します。
  • 低周波療法
    痛みの緩和と筋肉のリラクゼーションを促すため、低周波治療を実施します。
ホットパック
低周波療法

インソールの使用

  • インソールの挿入により、足部のアライメントを整え、膝への負担を軽減します。特に扁平足のサポートを行うことで膝関節の負担軽減を図ります。

生活指導

  • 体重管理:膝への負担を軽減するため、適切な体重管理を指導します。栄養バランスの取れた食事と定期的なエクササイズの重要性を強調します。

今後の治療方針

  • 週2回程度の通院をお勧めし、痛みの軽減、膝関節の可動域の改善、筋力強化を目指します。さらに、歩行時の姿勢改善や膝への負担を減らし、日常生活における動作をスムーズに行えるようサポートし、生活の質の向上を目指します。

おおさと接骨院では、変形性膝関節症の機能的な原因に対してお一人お一人に合わせた施術を提供し、患者様の症状の改善を目指します。
痛みや不調でお困りの方は、ぜひ当院にご相談ください。

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なかなか痛みが取れずに悩んでいる方をサポートします!どこに行っても良くならない痛みの原因を見つけ、根本から改善へ導きます。 大里洋志(おおさとひろし)

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